SEOの弊害になるカニバリゼーションとは? 見つけ方や対策を解説

カニバリゼーション コラム

SEO対策を行っているとカニバリゼーションという言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?あまり聞きなれない言葉なので、どのような意味なのかよく分かっていない人も多いようです。

カニバリゼーションとは、ひとつのキーワードに対して複数の記事がインデックスされている状態を指します。そのため、検索エンジンからの評価が分散し、個々の記事の評価が低下します。

カニバリゼーションの問題は、発見することが難しくて対策することも面倒な作業が多いことです。よく分からないからといって放置したままにすると、SEO的に不利な状態になることが多いので早めに確認・対策しましょう。

SEOにおけるカニバリゼーションとは?

カニバリゼーションのもともとの意味は、「共食い」です。

ひとつのキーワードに対して複数の記事がインデックスされている状態から「共食い」が連想されるため、SEOにおいてカニバリゼーションという言葉が使われているわけです。

複数の記事がインデックスされてしまうことで、本来の記事の検索順位にならなくなったり、検索順位の上昇をさまたげる要因になります。

大量のキーワードで記事を投入しているメディアだと、似たような検索意図の記事が意図せずできてしまうことがあります。記事のタイトルは違うけど、見出しに同じ文章を使っていることはないでしょうか。似たような検索意図の記事が複数あると、キーワードカニバリゼーションが発生する可能性が高くなります。

カニバリゼーションの一例

カニバリゼーションの一例

グーグルサーチコンソールの検索パフォーマンスを使ってキーワードカニバリゼーションの典型的な例を紹介します。

上記画像は、ひとつのキーワードに対する表示回数と掲載順位。2つの記事が表示されていますね。

どちらも同程度の表示回数と掲載順位なので、グーグルがどちらの記事をインデックスすべきか迷っていることが分かります。

日別の表示回数を確認すると、毎日交互に記事がインデックスされていますね。グーグルの評価が分散されているので、非常にもったいない状態です。

もうひとつ別の例を紹介します。

こちらもひとつのKWで2つの記事が表示されています。

検索順位が6.1位と7.1位です。本来表示したいのは上段の6.1位の記事で、下段の7.1位の記事は別のKWで上位表示されている記事です。

日別の表示回数を確認してみましょう。

原因は不明ですが、7月中旬までは本来表示したい記事がインデックスされていたのに、突然別の記事がインデックスされています。意図していない記事が表示された上に、表示してほしい記事は完全に死んでますね。

この現象で一番怖いのは、調べないとなかなか気づけないということ。

キーワードの順位を確認すると、上記画像のように6.6位と表示されるので、キーワードの順位だけを確認していると問題点の発見がかなり遅れることになります。

特にSEOツールなどで大量の記事の順位を管理している場合だと、上記のようなことが起きていても分からないでしょう。

SEOにおけるカニバリゼーションの種類

カニバリゼーションにはいくつかの種類があります。重大な問題がありすぐに解決すべきものと、放置しても問題ものに分かれます。

カニバリゼーションは主に以下の4種類です。

  • 同じキーワードで複数の記事がインデックスされている
  • 検索結果の上位に複数の記事が表示されている
  • インデックスされる記事が日によって変わる
  • 意図していない記事が検索結果に表示されている

上記の4パターンの状態と問題点を解説します。

同じキーワードで複数の記事がインデックスされている

検索22位と25位といったように、複数の記事がインデックスされている状態です。インデックスされる記事が一つだけなら検索順位が上がる可能性が高くなります。グーグルからの評価が分散されている状態なので、このままにしていても検索順位が上がることは期待できません。

似たようなテーマで大量の記事を投入しているメディアで発生することがあります。さらに似たような記事を投入すると事態が悪化するかもしれません。

検索結果の上位に複数の記事が表示されている

検索結果の1位と2位、6位と7位といったように、検索ページに複数の記事が表示されている状態です。1位と2位に表示されている場合は放置して問題ありません。6位と7位の場合は、記事の内容に応じて対応しましょう。両方表示されていることでメリットがあるならそのまま、片方の記事だけの方が良い場合は対策すればさらに上位表示できる可能性があります。

比較的大きな問題ではないので、どうすべきか迷うなら放置してもよいです。

インデックスされる記事が日によって変わる

最初の例として紹介したタイプです。実際に検索すると片方の記事だけが表示されます。グーグルからの評価が分散されている状態なので、このままにしていても検索順位が上がることは期待できません。

意図していない記事が検索結果に表示されている

2番目の例として紹介したタイプです。意図していない記事が表示されている状態なので、すぐに対応する必要があります。一番の問題は、なかなか気づくことができないという点です。

SEOでカニバリゼーションが発生する原因

ひとつのキーワードに対して複数の記事がインデックスされることで、キーワードカニバリゼーションが発生します。なぜ複数の記事がインデックスされるかというと、検索エンジンがインデックスする記事を一つに絞り込めないからです。

通常の場合では、キーワードに対する記事としてサイト内でもっともふさわしい記事をひとつだけ選んでインデックスしています。ところが、どの記事がふさわしいか決めきれない場合には、複数の記事をインデックスしたり、複数の記事を交互にインデックスしたりという処理がおこなわれてしまうことになります。

複数の記事がインデックスされたり、複数の記事が交互にインデックスされるのは、主に以下の3点が原因となっている可能性があります。

  • 似たような検索意図の記事が複数ある
  • 記事内に重複したコンテンツが含まれている
  • タイトル・見出しに同じキーワードが使われている

サイト内のカニバリゼーションを発見する方法

手間はかかるけどGoogle Search Consoleが確実

カニバリゼーションは、Google Search Consoleを使うことでかなり細かく確認できます。

  • ひとつのキーワードに対してどの記事がインデックスされているのか
  • 記事の日々の順位はどのように変動しているのか

上記2点をチェックするだけでも、カニバリゼーションが発生しているかどうかを高い精度で確認できます。

ただし、キーワードごと・記事ごとに操作する必要があるためカニバリゼーションの確認には時間がかかります。

記事が大量にあるならSEOツールを使用する

記事が大量にある場合には、ひとつひとつの記事をGoogle Search Consoleでチェックするのは大変な作業になります。SEOツールのGRCかAhrefsを利用すれば、大量の記事を一括して調査できます。

検索でカニバリは見つけるのは困難

実際に検索してカニバリゼーションが発生しているかどうかを確認することは非常に困難です。

  • 同じキーワードで複数の記事がインデックスされている
  • 検索結果の上位に複数の記事が表示されている
  • インデックスされる記事が日によって変わる
  • 意図していない記事が検索結果に表示されている

カニバリゼーションの種類は上記4種類ですが、検索して確認できるのは2番目の検索結果の上位に複数の記事が表示されているときだけです。このタイプのカニバリゼーションは放置しても大きな問題はないので、実際に検索してカニバリゼーションが発生しているかどうかを確認するのは意味がありません。

サイト内検索やコマンドを使うことでヒントは見つかる

サイト内検索や「site:URL + “キーワード”」コマンドを使うことで、キーワードが含まれている記事が複数あるかどうかを確認できます。

キーワードが含まれている記事は、カニバリゼーションが発生している可能性があります。記事が大量にあり、優先して確認する記事を探したい場合にはサイト内検索や「site:URL + “キーワード”」コマンドを使う価値はあります。

ただし、同じキーワードが含まれていてもカニバリゼーションが起きていないことの方が多いので、あくまで詳細な調査をするための準備としてとらえるべきでしょう。

カニバリゼーションを解消する方法

不要な記事を削除する

似たような内容の記事でカニバリゼーションが発生しているなら、どちらかの記事を削除することが一番の解決法です。

記事のボリュームが多い方にもう一方の内容を移して削除すれば、残った記事は内容が充実した記事になるので、上位表示できる可能性が高くなります。

記事をリライトする

どちらの記事も削除できない場合には、キーワードの検索意図から遠い記事の方をリライトしましょう。カニバリゼーションが発生している要素を確認して、不要なコンテンツは削除するか移行することでカニバリゼーションが起きなくなります。記事のタイトルや見出しからキーワードを外すことでカニバリゼーションを防げる場合もあります。

noindexにする

不要な記事をnoindexにすることで検索エンジンからクロールされなくなるので、カニバリゼーションが発生しなくなります。検索エンジンからの流入は不要だけど被リンクからの記事への流入があるから記事の削除をしたくないという場合には、noindexを利用しましょう。

まとめ

カニバリゼーションは、大量のキーワードから記事を投入したメディアで発生しやすい現象です。優先して対策する必要がある場合と、放置しておいても問題ない場合があるので、どのタイプのカニバリゼーションかを確認して対応しましょう。

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