本記事では、SEO効果が期待できる正しいリライトのやり方を解説します。
SEOにおけるリライトとは
SEOにおけるリライトとは、サイトを運営する目的を達成できるように、サイトの構成を作りなおすことです。
一般的に、「リライト」は文章を書き直す意味で使用されています。
しかし、SEOにおけるリライトでは、既存記事(ページ)の文章を書き直したり加筆したりするだけではなく、不足している記事(ページ)を追加したり、記事同士の関連性を見直したりする作業も必要となります。
つまり、「公開している記事を加筆・修正すること」だけがリライトではないということです。
「特定の記事だけをリライトする」のではなく、「サイト全体のリライト」をおこないましょう。
リライトしてもSEO効果が出ない原因
- 記事だけをリライトしている
- カニバリ・重複コンテンツを放置している
記事だけをリライトしている
Googleの検索アルゴリズムは、記事だけを見て検索順位を決めているわけではありません。
サイトで扱うテーマに関する記事が不足していると、どれだけ既存記事を加筆・修正しても上位表示できない場合がります。
記事単体で検索意図を満たすのではなく、サイト全体(ジャンル・カテゴリー・トピッククラスター)で検索意図を満たすようにしなければいけません。
カニバリ・重複コンテンツを放置している
カニバリ・重複コンテンツが発生していると、記事自体のクオリティが高かったとしても、上位表示できない場合があります。
リライトを始める前にカニバリ・重複コンテンツを解消することが重要です。
SEO効果が期待できるリライトの手順
- 既存記事をトピッククラスター単位に分類する
- カニバリ・重複コンテンツが発生していないかを調査する
- トピッククラスター単位で満たされていない検索意図を調査する
- 検索意図をどの記事で満たすのかを決定する
- 検索意図を満たせるように既存記事を修正する
- 検索意図を満たすために新規記事を作成する
SEO効果が期待できるリライトのポイント
- 不足している検索意図を追加する
- オリジナルコンテンツを追加する
- 潜在意図を読み解く
- 専門用語の補足を追加する
- 再検索されない構成にする
不足している検索意図を追加する
キーワードに対して検索意図が十分に盛り込まれていない記事だと、検索順位がいつまでも上がらなかったり、インデックスされなかったりします。
分からないことや知りたいことがある人は、検索キーワードを使って検索します。検索する人の「分からないことや知りたいこと」が検索意図です。同じキーワードで検索する場合でも、検索する人によって検索意図は変わります。つまり、キーワードに対して検索意図はひとつだけではなく無数にあるということです。
記事を書く場合はキーワードから検索意図を想定します。キーワードに対する分性や考察が不十分であれば検索意図が不足した記事になり、検索エンジンからの評価が低くなるため検索順位が低くなるというわけです。
上位記事から不足している検索意図を探す方法
記事を書く場合やリライトする場合には、上位記事を分析して検索意図を見つける人が多いです。上位記事は検索エンジンから評価されている、つまり検索意図が十分に盛り込まれているお手本と言えます。
もっともお手軽に検索意図を把握する方法として用いられる手法ですが、キーワードに対する知識が十分でない場合は、どの内容が検索意図なのかを見つけられないこともあります。上位記事に書かれていることをすべて記事に盛り込んでしまえば、読者にとって読みにくい記事になるので注意が必要です。
SEOツールで検索意図を探す方法
SEOツールを利用することで、関連キーワードやサジェストキーワードを効率よく見つけることができます。キーワードをかかわりの強いキーワードや、実際に検索されているキーワードが表示されるため、精度の高い検索意図が見つかります。
関連キーワードの中にはキーワードの検索意図と直接関係ないものもありますし、サジェストキーワードの中には一度も使われたことがないキーワードが表示されることもあります。表示されたキーワードの中から適切に検索意図を見つけるのは簡単な作業ではないので注意しておきましょう。
おすすめのSEOツールは以下の2点です。どちらもChrome拡張機能で簡単に利用できるので、上位記事をチェックするついでに確認できます。
- Extract People also search phrases in Google
- Ubersuggest
オリジナルコンテンツを追加する
検索意図はすべて網羅しているのに、なかなか検索順位が上がらないことの方が多くなっています。ある程度検索ボリュームが高いキーワードの場合は、すでに多くの人が記事を書いていて基本的な検索意図は網羅されつくしている現状にあります。
成熟したジャンルの記事を書く場合は、検索意図の網羅性だけでは検索上位は難しくなっており、より独自性の高いコンテンツが求められています。ようするに、上位記事を参考にした記事では他の記事を上回ることができないということです。
自社で実施したアンケートや独自調査の結果、自社の事例など、競合サイトでは真似することが不可能なコンテンツ、一次情報をなりうるコンテンツを記事に追加するようにしましょう。
記事にオリジナルコンテンツを追加することで、他のサイトから被リンクを獲得でき、サイトの評価が高くなる効果も期待できます。
潜在意図を読み解く
潜在意図とは、検索キーワードの検索意図には含まれないけど、本当は知りたいと思っている検索意図です。
分かりやすい例としては「〇〇 メリット」です。〇〇のメリットを知りたいから「〇〇 メリット」というキーワードで検索していますが、デメリットについても知りたいはずですよね。
検索する人の心理を考える必要があるので簡単ではないですが、キーワードとの関連性も高いので効果的です。
専門用語の補足を追加する
検索した記事を読んでいるときに、意味が分からない用語が出てきて内容がよく分からなかったことはないでしょうか?記事を書く人は理解したうえで文章を書くので、専門用語や聞きなれない単語を使うことがあります。検索する人が知らないような用語については、理解を深めてもらうためにも補足説明は重要です。
再検索されない構成にする
検索して記事を読んだ後、全ての問題が解決するとは限りません。記事を読んで疑問に対する答えが分かったあとに、別の疑問が生まれることがほとんどです。
「〇〇 おすすめ」というキーワードの記事であれば、おすすめの商品やサービスが分かったあとには、それが本当なのか、どんなメリットがあるのか、コスパはどうなのかといった疑問が生まれますよね。
記事を読んだ読者が次にどんな疑問を持つか、どう行動するかを先読みしてコンテンツとして追加しておけば、より読者が満足できる記事を作れます。
CVRを高めるSEOリライトのやり方
すでに上位表示できている記事や検索エンジンからの流入が必要でない記事の場合は、読者を意識した文章にすることが重要です。
検索順位が上がり多くの読者に読まれることでCTRは上げられますが、CVRを上げるには、魅力的な文章であることが求められます。
記事を読んでサービスを利用してもらう、広告をクリックしてもらいたいと考えている場合は、SEO対策をおこなうより、読者が満足する記事を作ることが重要になります。
SEO対策には、影響力の高いものと低いものがあります。対策をおこなうことでマイナスに働くわけではないですが、効果の高いものから優先しておこなった方が効率が良いです。
以下のようなリライトは検索順位を大幅に改善できるわけではないので、検索1ページ目に表示されたあとにおこなっても問題ありません。
- ディスクリプションを設定する
- 読みやすい・魅力的な文章にする
- タイトル・見出しを見直す
- サムネイル・アイキャッチ画像を設定する
ディスクリプションを設定する
ディスクリプションは、検索したときに記事タイトルの下に表示される記事の概要説明です。検索した人は、記事のタイトルだけではなくディスクリプションを読んで記事をクリックするかどうかを判断しています。
つまり、検索1ページ目に表示されている場合には重要ですが、検索圏外だったり検索順位が30~50位だったりする場合には、そもそも読まれる可能性が低いということになります。
ディスクリプションを設定しておくことで検索順位への影響が全くないわけではありませんが、検索順位が大きく上昇するほどの効果はありません。
読みやすい・魅力的な文章にする
記事を書くうえで、読みやすく魅力的な文章であることは大事なことです。しかし、検索エンジンのアルゴリズムは文章の読みやすさや魅力的かどうかまでは判断できません。
極端なことを言えば、誤字脱字だらけでも、文末がすべて「です」あるいは「ます」で統一されていても、検索結果にはあまり関係ないです。
どちらかといえば、検索順位を上げるというより、CVRを高めるためのリライトと言えるでしょう。
タイトル・見出しを見直す
キーワードがタイトル・見出しに含まれていることは重要ですが、キーワードが多ければ検索順位が上がるわけではありません。むしろ多すぎるとマイナスに働くことの方が多いです。
検索順位が低かったり圏外の場合に、タイトルや見出しをこだわりすぎるのは効果的ではありません。すべての見出しにキーワードが含まれていなくても検索上位表示できます。検索順位が低くてもインデックスされているのであれば、検索1ページ目に入るまでは放置していても問題ありません。
サムネイル・アイキャッチ画像を設定する
記事に画像を設定することは、以前に比べるとSEO効果があるとして見直されています。以前は記事のアクセント程度の意味しかありませんでしたが、検索アルゴリズムの向上により、画像の内容や画像に書かれたテキストまで読み取ることができるようになっており、検索順位に対する効果があります。
ただし、どの程度の効果があるかはまだ未知数な状況です。少なくとも画像を設定しただけで大幅に検索順位が上がるとは言えないでしょう。画像の設定は重要ですが、過度の期待をしない方が良いと思います。
リライトする記事の選び方
記事を大量に投入しているサイトでは、どの記事から手を付けるべきか判断できないかもしれません。
以下を満たす記事からリライトをおこないましょう。
- 検索上位ではない
- 検索ボリュームが少ないキーワードの記事
すでに検索上位の場合は、さらに順位を上げるために時間とコストがかかるのでコスパが悪いです。検索ボリュームが少ないキーワードの場合は、簡単なリライトをおこなうだけでも大幅に検索結果が改善することが多いです。リライトした結果、記事が読まれるようになればサイト全体の評価も高くなります。
検索順位に合わせたリライトのポイント
現在の検索順位に合わせたリライトをおこなうことで、より結果が出やすくなります。
検索上位表示を狙う場合の優先順位は以下の通りです。
- インデックスされること
- 検索1ページ目に入ること
- 検索1位を狙うこと
インデックスされていないのに、文章の細かい表現にこだわっても意味がないですし、検索1ページ目にランクインしているのに大幅な修正は逆効果になります。
具体的なリライト方法を解説します。
記事が検索圏外の場合
記事が検索圏外ということは、キーワードと記事の内容がマッチしていないということです。キーワードの検索意図をしっかり分析して、記事に落とし込む作業が最優先になります。検索意図を意識して記事を書いても、検索エンジンに認識されていなければインデックスされません。記事タイトルと見出しにキーワードが含まれているかを確認しましょう。
検索ボリュームが一定以上のミドルワード・ビッグワードの場合は、ひとつの記事をいくらリライトしてもインデックスできない可能性があります。検索意図を絞ってロングテールワードの記事を複数作成する方が効率がよい場合もあります。
記事が検索11位以下の場合
検索11位以下の場合は、キーワードに対する検索意図が不足しています。上位記事を読んでみたりSEOツール利用してみたりして検索意図に漏れがないかを確認しましょう。
検索意図が網羅されているのに検索順位が上がらない場合は、他の記事と類似した内容になっている可能性が高いです。上位記事を参考に記事を書くと、表現が少し違うだけで同じ内容になりがちです。キーワードに対する理解を深める、他の記事とは異なる視点で書くことも効果的です。
記事が検索10位以内の場合
検索10位以内の場合は、自分の記事より上の順位の記事との闘いになります。記事タイトルが目を引く文章になっているか、ディスクリプションで記事の魅力を表現できているかが重要になってきます。
クリックされて記事が読まれる可能性があるので、アイキャッチ画像や導入文を工夫して読者の離脱を防ぐ意識も必要です。記事が読まれてもすぐに離脱されて最後まで読まれていないと、検索順位が下がりやすくなります。
検索意図が十分に網羅できているのであれば、独自コンテンツ部分を強化すると効果的です。
検索ボリューム別のリライトのポイント
検索ボリュームに合わせてリライトの方向性を決めた方が効果的です。記事をリライトする前に、キーワードの検索ボリュームを確認しておきましょう。
キーワードの検索ボリュームやキーワード単語数によって呼び方は以下のように異なります。
- ロングテールワード(検索ボリューム100~1000)
- ミドルワード(検索ボリューム1000~1万)
- ビッグワード(検索ボリューム1万以上)
ロングテールワード(検索ボリューム100~1000)
3語のキーワードはロングテールワードと呼ばれており、検索ボリュームは100~1,000程度です。「副業 スマホ 高校生」というキーワードの場合は、検索ボリュームが140です。
個人ブログやドメインパワーの低いサイトでも十分に上位表示が可能です。検索意図を絞り込んで、特定のターゲットに向けた内容にした方が上位表示しやすいです。イメージとしては、より狭く・より深くになります。
ミドルワード(検索ボリューム1000~1万)
2語のキーワードはミドルワードと呼ばれており、検索ボリュームは1,000~1万程度です。「副業 稼げる」というキーワードの場合は、検索ボリュームが2,400です。
ミドルワードの検索意図を網羅しようとすると、1記事だけではかなり文字数が多くなり、読者にとって読みにくい記事になります。一時的に上位表示できても、記事の途中で離脱することが多く検索順位が低くなりやすいです。
ミドルワードの場合は、検索意図をすべて網羅したまとめ記事を作成し、詳細な内容はロングテールワードで別記事を作成してリンクを貼る方が効果的です。ミドルワードの検索意図=ロングテールワードと考えるとリライトしやすくなります。
ビッグワード(検索ボリューム1万以上)
1語のキーワードのほとんどは検索ボリューム1万以上で、ビッグワードと呼ばれています。「副業」というキーワードの場合は、検索ボリュームが165,000です。
検索ボリューム1万以上のビッグワードの場合は、ひとつの記事やコンテンツだけでは検索で上位表示することは難しくなっています。複数の記事群でリライトおこなわないと効果的ではありません。ドメインパワーの低いサイトの場合は、サイト全体でビッグワードを狙っていくことも必要になります。
新規記事作成とリライト、どちらを優先すべき?
以下のような場合には、リライトも視野に入れた方が良いと思います。
- 記事数が30以上
- 記事の半分以上が検索上位ではない
- 記事を投稿して3ヶ月以上経過
サイトの規模にもよりますが、記事を投稿して放置したままでは検索順位は上がりません。検索上位ではない記事やクリックされて読まれない記事は、意味がないどころか、不適切なコンテンツとみなされさいとにとってマイナスに働く可能性があります。
リライトをおこなう頻度
記事を投稿してからどのくらいでリライトをおこなうかについては、サイトのインデックス速度にもよりますが、3ヶ月が目安です。記事を投稿して数日でインデックスされるサイトなら1カ月程度で判断してもよいと思います。
新規記事の追加によってサイト全体が成長することで記事の順位が上昇することはありますが、サイトを放置したまま記事の順位が上がることはありません。1カ月以上順位に大きな変動が見られない場合は、リライトを検討しましょう。
リライトして結果が出るまでの時間
サイトの規模によって大きく変わりますが、早ければ3日ほどで結果が出ることがあります。
ドメインスコア50、ドメイントラフィック3万程度のサイトでリライトをおこなったところ、3日で検索圏外から8位に上昇、さらに3日後に4位に上昇したことがあります。
SEOにおけるリライトの注意点
SEO記事をリライトするときには、以下の点について注意しておきましょう。
- キーワードを詰め込まない
- 検索意図が重複する記事がないかを確認する
手間やコストをかけてリライトしても、やり方が間違って入れば効果が出なかったり、逆に検索順位が下がる可能性もあります。
キーワードを詰め込まない
記事タイトルと見出しに最低限のキーワードを含めることは、検索エンジンに認識してもらうために必要です。しかし、記事の本文中にキーワードを入れすぎると、検索エンジンから不正行為と認識され評価が下がる可能性があります。上位記事のキーワードの出現回数を参考にして記事にキーワードを入れすぎないようにしましょう。
記事に重複する要素がないかを確認する
サイトに複数の記事を投稿している場合、記事同士で重複するコンテンツが含まれていると評価が分散し、記事が正しく評価されなくなるケースがあります。
- 〇〇 種類
- 〇〇 効果
- ○○ メリット
上記のようなキーワードで記事を書く場合に、どの記事にも「〇〇の種類」という見出しで同じ内容を書くことがあると思います。複数の記事に同じ見出しや同じ内容が書かれていると、検索エンジンの評価が分散することがあります。
上記の場合であれば、「〇〇の種類」というキーワードに対してどの記事をインデックスするべきか検索エンジンが迷ってしまうということです。結果として、本来であればインデックスされるはずの記事が検索圏外になってしまいます。
特定のジャンルに対して大量の記事を投入しているサイトで多く見かけられる現象ですね。リライトする場合は文章を追加することが多いですが、独自コンテンツと思って書いた内容が、別の記事にも書かれていることが良くあります。記事を書く前やリライトをおこなう前に、サイト内の記事をチェックしてコンテンツの重複を避けるようにしましょう。
リライトしても効果が出ないなら専門家に任せた方が効果的
SEOに関する知見や経験が少ないディレクターやライターがリライトを行っても、思うような効果が出ないこともあるでしょう。
どの記事からリライトすべきなのか、どのような手順でリライトを進めればよいのか、記事のどこをリライトすれば順位が上がるのかについては、SEOの専門家でなければ判断するのは困難です。
SEOに関する知見や経験が不足したまま間違った手順でリライトしても、コストが膨れ上がるばかりで効果がでることはありません。
SEOリライトにお悩みなら、是非一度ご相談をお願いします。
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